債務整理を経験すると、「中古車ローンが組めるのだろうか」と不安に思う方も多いと思います。債務整理中やその後のローン審査は、通常よりも厳しくなる傾向がありますが、状況や対策によってはローンを利用できる可能性がゼロではありません。
本記事では、債務整理中に中古車のローンが組めるかどうかについて解説します。また、債務整理経験者がローンを組む際のコツも紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
債務整理中に中古車のローンは組めるの?
まずは、債務整理中に中古車のローンは組めるのかという疑問について解説します。
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それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
債務整理中は金融事故扱いになる
クレジットカードの利用やローン契約を行う際、債務整理を経験しているか否かにかかわらず、個人の信用情報は信用情報機関に登録されます。この情報には、氏名や住所、収入、勤務先、現在の借入状況などが含まれます。
国内の信用情報機関は株式会社シー・アイ・シー、日本信用情報機構、全国銀行個人信用情報センターの3つです。債務整理の手続きが開始されると、信用情報機関には「異動」と記載される仕組みがあり、金融事故情報として扱われます。
法律で事故情報がある人への貸付を禁じているわけではありませんが、多くの金融機関はリスク回避のため融資を避ける傾向が強いです。
金融機関や信販会社の審査に通らない
債務整理を経験している場合、ローンの利用が制限される場合があります。とくに、銀行が提供するマイカーローンや信販会社と提携するディーラーローンは、審査が厳しい傾向です。これらのローンでは、申込者の信用情報が精査され、過去の返済履歴が重要視されます。
債務整理の記録が信用情報に登録されている場合、多くの金融機関は返済能力にリスクがあると判断し、融資を避けるケースが一般的です。一方で、収入や勤続年数、職業など他の条件が十分であれば、特定の条件下でローンが承認される可能性もあります。
審査の基準は金融機関ごとに異なるため、自身の状況に応じて相談先を決めましょう。
自社ローンであれば組める可能性がある
自動車の購入時には、銀行系や信販会社を利用しない「自社ローン」という選択肢があります。このローンは販売店が独自の基準で審査を行うため、信販会社や信用情報機関を通さない点が特徴です。
そのため、債務整理を経験している方でも、販売店が支払い能力を認めれば利用可能な場合があります。ただし、自社ローンは金利が発生しない一方で、車両価格に手数料が含まれているため、総支払額が他のローンより高くなる可能性があります。
月々の返済額が家計に与える影響を十分に確認し、無理のない返済計画を立て、債務整理後のローン利用に不安がある場合は、事前に販売店へ相談してみてください。
なお、自社ローンの詳細については、こちらの記事で紹介しています。
債務整理後の中古車のローンの利用可否
次に、債務整理後の中古車のローンの利用可否について解説します。
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それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
債務整理後に5年以上が経過していれば組める可能性がある
信用情報機関に登録される事故情報には、一定の保存期間が設定されています。任意整理や個人再生といった債務整理を行った場合、その記録は手続き開始から5年間保存されるのが一般的です。
この期間が経過すると、信用情報から事故情報が削除されるため、新たなローン審査が通る可能性が高まります。ただし、削除後でも金融機関によっては過去の経緯が影響を与える場合もあるため、申込時には慎重に対応しましょう。
自己破産のケースでは、10年程度はローンが組めない
自己破産による債務整理を行った場合、信用情報機関に登録される事故情報の保存期間は機関ごとに異なります。日本信用情報機構(JICC)は5年、株式会社シー・アイ・シー(CIC)は7年、全国銀行個人信用情報センター(KSC)は10年です。
多くの金融機関では審査時にこれらの信用情報機関を照会するため、最長10年間はローン審査が厳しくなる可能性があります。ただし、利用するローンの種類によって照会する信用情報機関が限定される場合もあり、審査基準は異なるケースがあります。
事故情報が削除されている必要がある
信用情報に登録されている事故情報は、一定の保存期間を経過すると削除されます。ただし、この保存期間は手続きの種類や開始日によって異なるため、正確な削除時期の把握が必要です。
不明な場合は、信用情報機関に情報開示を依頼すると、自分の記録状況の確認が可能です。情報開示の手続きや必要な手数料は、それぞれの信用情報機関の公式サイトに詳細が記載されています。
このように、事故情報が削除されているかを事前に確認しておけば、ローンの申し込みを検討しやすくなります。
債務整理経験者が中古車のローンを組む際のコツは3つ
次に、債務整理経験者が中古車のローンを組む際のコツを紹介します。
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それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
1.頭金を多く用意する
カーローンの審査に通過しやすくなるためには、借入希望額を抑える工夫が有効です。その1つとして、頭金を多く準備する方法があります。
頭金を増やすには、購入前に節約を心がけ、資金計画を見直すのが有効です。また、購入する車のランクを見直したり、中古車を検討したりすると、総額を抑えられます。
借入希望額が少なくなると、金融機関からの信用が高まり、審査に通る可能性が高いです。ただし、車購入後の生活に無理が生じないよう、返済計画や予算を慎重に検討してください。
2.信用情報を事前に確認する
事故情報の記載期間が経過している場合でも、必ずしも記録が削除されているとは限りません。手続きの遅れや記録ミスにより情報が残っている可能性もあります。
この状態でカーローンに申込むと、審査に通らないだけでなく、申込履歴が信用情報に6か月間残り、他社の審査が厳しくなる場合があります。そのため、ローンを申し込む前に信用情報機関に情報開示を依頼し、事故情報が確実に削除されているか確認することが大切です。
これにより、不必要な審査落ちを避け、安心してローンの申請ができるようになります。
3.車体価格をできるだけ抑える
ローン審査のハードルを下げるためには、購入する車の価格の見直しが重要です。高額な車やオプションを選ぶよりも、必要最低限の条件を満たす車を選択すると、借入希望額を抑えられます。
中古車は新車に比べて価格が大幅に安い場合が多く、希望する車種や装備が手の届く範囲で見つかる可能性があります。借入額が少なくなるほど、金融機関が返済能力を認めやすくなり、審査に通る確率が高いです。
理想の車と予算のバランスを考慮し、現実的な選択を心がけましょう。
債務整理 車のローンでよくある3つの質問
次に、債務整理中の車のローンに関してよくある質問を紹介します。
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それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
質問1.債務整理中に車が必要な場合の選択肢は?
債務整理中でも車を手に入れる方法はいくつかあります。まず、家族名義でローンを組む方法があります。これは、安定した収入がある家族がローン申込者となる方法ですが、名義貸しとみなされないよう注意が必要です。
また、中古車を現金で一括購入する方法もあります。この場合、ローン審査が不要で、手続きも簡単です。ただし、車の状態を事前に確認し、修理費用などのリスクを抑える必要があります。
さらに、販売店独自の自社ローンを利用すれば、審査基準が緩やかなため、任意整理中でも車を購入できる可能性があります。
質問2.自己破産や個人再生とは?
自己破産は、返済が不可能な状況で裁判所の認定を受け、借金の支払い義務を免除してもらう法的手続きです。この手続きでは、収入の有無に関わらず進められますが、家や車などの財産はすべて手放す必要があります。
これにより、借金は原則的にゼロになり、財産を失う代わりに将来の収入を生活費に充てられるようになります。一方、個人再生は裁判所を通じて借金を大幅に減額する方法です。
この手続きでは原則として財産を失わず借金を整理でき、住宅ローン特則を利用しローン返済中の家に継続して住めます。ただし、手続き後は信用情報に事故情報が登録され、新たな借り入れが制限されるため注意が必要です。
なお、自己破産から一年でオートローンが利用できるのかについては、こちらで紹介しています。
質問3.ローン審査時に照会される信用情報機関とは?
カーローンの審査で利用される信用情報は、申込者の返済能力を評価するために非常に重要です。主に確認される内容には、各種ローンの残高や返済遅延の履歴、債務整理の有無、さらには氏名や住所、勤務先などの個人情報が含まれます。
審査では「JICC」「CIC」「KSC」の3つの信用情報機関が活用され、これらの機関は、それぞれ加盟企業や記録内容が異なります。「JICC」には任意整理の情報も記録されており、加盟しているのは多くの消費者金融です。
「CIC」では主にクレジットカード会社が加盟し、代位弁済が発生すると「異動」として記録されます。「KSC」は銀行系の信用情報を管理し、長期滞納や代位弁済の事実が記録される特徴があります。
まとめ
本記事では、債務整理中に中古車のローンが組めるかどうかについて解説しました。また、債務整理経験者がローンを組む際のコツについてもご紹介しました。
債務整理中に中古車ローンを組めるかどうかは、個々の状況や金融機関の審査基準によって異なります。慎重な準備と適切な対応が、ローン審査の成功に繋がる一歩となります。
もし、どうしても債務整理中に車が必要になる場合は、自社ローンの利用がおすすめです。自社ローンは販売店が独自の基準で審査をするため、信販会社や信用情報機関を通さない点が特徴です。このため、債務整理を経験している方でも、販売店が支払い能力を認めれば利用可能な場合があります。
なお、当社「KSTオート」でも自社ローンを取り扱っています。ローンブラック、自己破産、任意整理をされた方、ローンを組みにくい学生やフリーター、派遣社員、年金受給といった方もご安心ください。⇒KSTオートの自社ローン仮審査申込フォームはこちらから
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