自動車の購入を検討している方で、カーローンが利用できるか心配な方もおられるのではないでしょうか。審査が不安な場合は、審査の基準や落ちる理由について正しく理解し、対策を講じるようにしましょう
本記事では、マイカーローンの主な審査基準やカーローンの主な種類について解説します。また、審査に落ちる理由や対策についても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
マイカーローンの主な審査基準は7つ
マイカーローンの主な審査基準について解説します。それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
1.年収
契約者の年収はカーローンの返済能力に大きく関わるため、審査のなかでも重要な項目の1つです。
カーローンや他社借入を含めた年間返済額の合計が年収に占める割合を「返済負担率」と呼び、通常は年収に対して25〜35%が上限とされています。
たとえば、年収が400万円の場合、年間の返済額の上限は140万円程度です。また、400万円未満の場合の返済負担率は25%まで、400万円以上でも35%までが上限とされています。
2.職業
マイカーローンの審査では、収入の大きさだけではなく、その収入が安定しているかどうかも重要なポイントです。
職業が収入の安定性を判断するための主要な要素として考えられており、会社員や公務員のように毎月一定の給料が保証されている場合は、収入が安定しているとみなされます。
一方で、アルバイトはシフトの兼ね合いや突然の休業などにより収入が減少するリスクがあるため、比較的審査に通りにくい傾向があります。一部の金融機関ではアルバイトをローンの利用対象外にしているケースも珍しくありません。
3.勤続年数
勤続年数が長いほど金融機関において安定した収入があると判断されやすいため、審査に通りやすい傾向にあります。一方で、勤続年数が1年未満など短い場合は、審査に通りにくいケースが多いです。
しかし、勤続年数に明確な基準はなく、金融機関によって条件は異なります。
なかには、就職や転職して間もない時期でも、頭金を準備するなどの条件をクリアすれば、審査を通過する可能性がゼロではありません。
4.雇用形態
雇用形態とは、企業の正社員や派遣社員、アルバイトといった雇用契約の種類です。
正社員は収入が安定していると見られるため、比較的審査に通りやすいですが、フリーランスや自営業者の場合、売上によって収入が変動するため、収入が不安定と見なされる場合が多い傾向です。
また、雇用形態には、会社から雇われているのか、自分で事業を経営しているかという違いもあり、それぞれに対する金融機関の評価が異なります。
5.年齢
マイカーローンの申込みには年齢条件が設定されています。
たとえば、銀行のマイカーローンでは、申込み時の年齢が満18歳以上〜満65歳未満、そして最終返済年齢が満70歳未満の方を対象としている場合が多いです。
年齢条件はそれぞれの銀行のホームページに記載されているため、申込を検討する際は、年齢の制限についてチェックするようにしておきましょう。
6.過去の信用情報
信用情報とは、過去のローン返済履歴やクレジットカードの滞納、自己破産の経験など、借入れに関する個人の信用を記録したものです。
この情報はローン審査において非常に重要な要素であり、信用情報機関が銀行や信販会社などの借入情報を記録し、加盟する団体に公開しています。
主要な信用情報機関には、株式会社シー・アイ・シー(CIC)、株式会社日本信用情報機構(JICC)、全国銀行個人信用情報センター(個信センター)があり、それぞれ特定の金融業界にサービスを提供しています。
もし、過去に返済の滞りや滞納があった場合、それは信用情報照会時に判明し、ローン審査に不利に働く可能性が高いです。信用情報の記録は5〜10年保持されるため、その期間内は、審査に通りにくくなります。
7.他社での借入額
ローン審査では過去の信用情報と共に、現在の借入額もチェックポイントの1つです。他社での借入額が多い場合、審査上不利になるのが一般的であり、審査において大きな影響をおよぼします。
審査に際しては、信用情報機関を通じて他社の借入状況が調査されるため、複数社からの借入がある人は注意が必要です。
もし、他社から借入れがある場合は、審査前にできる限り返済し、可能であれば完済するようにしましょう。
カーローンの主な種類は3つ
次に、カーローンの主な種類について解説します。
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それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.銀行マイカーローン
銀行や信用金庫などの金融機関が提供する銀行系のマイカーローンは、ほかのローンに比べて比較的低金利で、一般的には年利1〜4%程度で利用できます。
このマイカーローンでは、購入する車を担保にはしませんが、保証会社が保証するケースが一般的です。
そのため、購入した車は購入者の名義になり、保証会社への保証料が必要になります。また、審査は慎重に行われるため、結果が出るまでに時間がかかる傾向にあります。
2.ディーラーローン
ディーラーローンは、カーディーラーが提携する信販会社やクレジットカード会社との契約に基づいて提供されるローンです。
このローンの特徴として、一般的に銀行のマイカーローンと比べて金利が高いものの(年利4〜8%程度)、審査に通りやすいという点が挙げられます。
また、ディーラーローンでは、車がローンの担保になり、ローン完済までの間、信販会社が車の所有者となります。そのため、ローン返済中は車を売却や譲渡することができず、所有権も信販会社側にある状態です。
3.自社ローン
自社ローンとは、銀行や信販会社を介さずに自動車販売店が独自に提供する金融サービスです。
この方式では、お金を直接借りるのではなく、販売店が顧客に代わって購入代金を分割払いで立て替える形をとります。
また、金利は0%である一方で、手数料相当額が支払い総額に上乗せされるため、実質的な負担は銀行のマイカーローンよりも高くなる場合が多いです。
さらに、ディーラーローンと同じように、返済完了まで車の所有権は販売店に留保されるため、購入者はその点に注意しなければなりません。
マイカーローンの審査に落ちる3つの理由
次に、マイカーローンの審査に落ちる理由について解説します。
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それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.借入額が見合っていない
カーローンの審査に通るためには、一般的に年収が200万円以上必要ですが、単に年収が基準を超えているだけでは不十分です。
審査では、借入希望額と年収のバランスが重視され、年収に対して高すぎる借入希望額は返済滞納のリスクがあると判断されるため、審査に落ちる場合があります。
理想として、借入希望額は年収の半分以下に抑えるべきであり、金額を調整する方法としては、車種やグレード、オプションの見直しや頭金の増額が効果的です。
また、年間のローン返済額が年収の大部分を占めるような場合には返済能力に懸念が生じ、審査を通過するのが難しくなります。
2.収入が不安定な就業形態である
カーローンの審査では、収入の安定性が重視されます。そのため、定期的な給与を得る会社員や公務員と比べて、収入が不安定な可能性があるアルバイトや個人事業主などの雇用形態はマイナスの影響を受けやすいです。
しかし、審査は雇用形態だけで決まるわけではなく、収入や勤続年数などのほかの要素も考慮に入れ、総合的に判断します。
ただし、銀行によってはパートやアルバイトなどの雇用形態をローンの利用対象外とする場合もあるため、注意が必要です。
3.信用情報に問題がある
信用情報とは、ローンの申込みや借入れ、クレジットカードの支払いなど、個人の信用を基に行われる取引に関する情報です。
この情報は、シー・アイ・シー(CIC)、日本信用情報機構(JICC)、全国銀行個人信用情報センター(KSC)などの機関に登録され、カーローンの審査時にも照会されます。
過去に自己破産したり、ローンの延滞記録がある場合、ローンの審査ではマイナスの要素になります。ただし、延滞記録が残るのは5〜10年程度であるため、記録が消滅している場合は影響を与えません。
マイカーローンの審査に落ちないための対策は3つ
次に、マイカーローンの審査に落ちないための対策について解説します。
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それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.頭金を用意する
頭金の支払は、ローン審査に通りやすくなる要素の1つです。頭金が多いほど、貯蓄があると見なされ、返済能力があると評価されやすくなります。
また、頭金によりローン金額を抑えることができ、その結果、借入金額が減少します。これによって支払う利息も減るため、総返済額を抑えることが可能です。
現金や貯金がある場合には、ある程度の頭金を組み入れてからローン審査に臨むことが効果的であり、経済的な負担を軽減するためにも検討する価値があります。
2.連帯保証人を立てる
連帯保証人とは、万が一返済が滞った際に申込者に代わり返済の義務を負う人物で、人選には慎重を期す必要があります。
また、連帯保証人自身もローン審査に通過する必要があり、重い責任を負うことから、収入が安定し、ローンや税金に未納や滞納がない家族や親戚が一般的に選ばれます。
一般的に、保証人は自分から申し出るよりも、申込中の会社から要求される場合が多く、保証人になることで申込者の審査通過の可能性が高まりますが、保証人も本人同様に収入や信用情報の審査を受けることを理解しておかなければなりません。
なお、カーローンに関する保証人については、こちらの記事で詳しく解説しています。
3.他のローンを返済する
返済負担率がチェックされるカーローンの審査では、既存の借入れをできるだけ完済しておくと審査に通りやすくなります。
とくに、住宅ローンや携帯電話端末代の分割払いなど、完済が難しい場合でも繰り上げ返済することで年間の返済総額を減らし、返済負担率を抑えることが可能です。
また、他のローンを返済することによって月々の返済金額に余力が生まれ、将来の返済負担も軽減されます。必要以上に借入れを増やすことは避け、返済可能なローンは計画的に返済しつつ、新たなローンの利用を検討しましょう。
カーローンの審査落ちでよくある3つの質問
最後に、カーローンの審査落ちでよくある質問を紹介します。
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それぞれについて詳しくみていきましょう。
質問1.カーローンの審査に落ちたときに注意すべきことは?
カーローン審査に落ちた場合、別のローンで審査を受けるのは有効ですが、連続して複数の会社に申し込むのは避けましょう。
審査申込みの記録は信用情報に残り、金融機関は申込者が経済的に困っていると判断する可能性があります。
再審査は一定の期間を空け、1社ずつ申し込むことが大切です。また、高金利のローンは月々の返済額が高くなるため、家計に負担をかけずに返済できる範囲で申込先を選びましょう。
消費者金融のローンは審査が柔軟で通りやすいですが、金利が一般的なカーローンよりも高いため、慎重に選ぶ必要があります。
質問2.自社ローンでも審査落ちすることはある?
自社ローンは、中古車販売店独自の審査基準により行われ、CICなどの指定信用情報機関への照会を省略しています。そのため、過去の借入や返済履歴が審査結果に影響を与えません。
結果として、金融事故を起こした経歴がある場合でも審査に通る可能性が高まります。
しかし、反社会勢力や生活保護受給者など特定の属性に該当する人物は支払い能力がないと判断される場合が多く、このような状況では審査に落ちるリスクが存在します。
なお、自社ローンを利用できる中古車販売店については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
質問3.マイカーローンの審査に必要な書類は?
マイカーローンの申請は、仮審査と本審査の二段階に分かれています。仮審査では、書類の提出は基本的に必要なく、インターネットで申請が可能です。
ただし、年収や勤続年数、他社からの借入状況などの情報の申告が求められるケースが多く、場合によっては源泉徴収票や借入残高明細書の提出が求められるかもしれません。
一方、本審査においては、本人確認書類や年収確認書類(源泉徴収票や確定申告書)が必要です。また、資金使途確認書類として、自動車の購入に関する契約書や見積書が求められます。
これらの書類は、ローンを支援する金融機関やディーラー、販売店によって異なる場合があるため、仮審査時に確認し、必要な書類を用意しておくようにしましょう。
まとめ
本記事では、マイカーローンの主な審査基準やカーローンの主な種類、審査に落ちる理由や対策について解説しました。
カーローンの審査では、年収や職業、雇用形態、信用情報などの複数の項目により、審査が行われます。そのため、収入が不安定な雇用形態であったり、信用情報に問題があったりする場合は、審査に落ちてしまう可能性があります。
もし、審査が不安な場合は、借入れ金額を減らすために頭金を準備しておけば、審査に通りやすくなるかもしれません。
また、自社ローンであれば、一般的な自動車ローンよりも審査に通りやすいため、信用情報に不安がある人やアルバイト・契約社員などの雇用形態の人にもおすすめです。
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