残価設定ローン(残クレ)は、月々の返済額を抑えつつ新車や中古車を手に入れられる便利な仕組みです。しかし、その手軽さの裏には注意すべきデメリットも存在します。
本記事では、残価設定ローン(残クレ)のデメリットや仕組みについて解説しています。また、おすすめできるケースも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
残価設定ローン(残クレ)の仕組みとは?
残価設定ローン(残クレ)は、車両購入時に将来の残存価値を設定し、月々の返済額を抑える仕組みのローンです。
通常車のローンでは、車両の総額を分割して返済していきますが、残価設定ローンでは契約終了時の残存価値(残価)をあらかじめ決定し、車両価格からその残価分を差し引いた金額で返済計画を立てます。
これにより、初期費用や毎月の負担が軽減されるため、多くのユーザーに利用されています。契約終了時には、新車への乗り換えや車両返却、あるいは残価を支払っての買い取りという選択肢が提示され、ライフスタイルに合わせた柔軟な対応が可能です。
残価設定ローン(残クレ)のデメリットは5つ
次に、残価設定ローン(残クレ)のデメリットについて解説します。
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それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
1.金利が高い
残価設定ローンは、車の購入時に将来の残存価値を差し引き月々の支払いを抑える仕組みが魅力ですが、注意が必要な点もあります。据え置き分である残価には利息がかかるため、支払総額が増加する可能性があります。
また、残価設定ローンの金利は一般的に銀行のマイカーローンよりも高めに設定される傾向があり、返済額のトータルが予想以上になるケースがほとんどです。
なお、カーローンの金利相場については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
2.車の所有権がディーラー側にある
残価設定ローンで車を購入する場合、ローン期間中の所有権はディーラーにあるため、自由にカスタマイズや売却ができません。このローンの仕組みでは、ディーラーの許可がなければ車の処分もできません。
また、ローンをすべて返済した後に正式に車の所有権を自分のものにするためには、書類手続きが必要です。手続きをディーラーに依頼する場合、追加の手数料が発生するため、費用面についても確認しておきましょう。
3.走行距離に制限がある
残価設定ローンでは、車の価値を維持するために走行距離に制限が設けられるケースが多く、毎月の走行距離が1,000〜1,500km以内に収まるように管理する必要があります。このため、頻繁に長距離運転をする方にとっては追加料金が発生する可能性がデメリットとなります。
距離を気にせず自由に車を利用したい場合、こうした制約が負担となる可能性があるため、ローン契約前に距離制限をよく確認しておきましょう。
4.追加費用が発生する可能性がある
残価設定ローンでは、車両の価値が契約時の残価を下回ると、差額の支払いが必要になるケースがあります。事故や修理が必要な損傷が発生した場合、車の査定額が低下し、その差額を負担しなければならないリスクも伴います。
とくに、大きな事故で車が使用不能になった際でもローンの支払い義務は残るため、予想外の出費が発生する可能性が高いです。こうしたリスクに備え、必要に応じて補償が充実した保険に加入するなどの対策が重要です。
5.車は下取りか買取りかを選ぶ必要がある
残価設定ローンでは、契約終了時に車をどうするかを選ばなければいけません。選択肢として、車をディーラーに下取りに出すか、自身で残価を支払い車を買い取る方法があります。
毎月の返済を続けていたとしても、買い取りを希望する場合には据え置かれていた残価分の支払いが発生するため、予想以上の費用負担となる場合があります。将来の負担を見越して返済計画を立ててから、契約に進みましょう。
残価設定ローン(残クレ)のメリットは3つ
次に、残価設定ローン(残クレ)のメリットについて解説します。
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それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
1.月々の支払いを抑えられる
残価設定ローンは、車両の購入時に将来の価値である「残価」を据え置くため、月々の返済額を抑えられます。これにより、銀行のマイカーローンと比較しても負担が軽くなるため、同じ予算内であればより高いグレードの車を選択する余地が生まれます。
ただし、ローン契約は車両の総額に基づいており、金利は全体の金額に対して発生する点を把握しておきましょう。
2.下取り価格が保証されている
残価設定ローンでは、契約時に車の将来の下取り価格である「残価」が設定されており、下取り価格が保証されています。そのため、返済終了時に中古車市場の価格が下がった場合でも、あらかじめ決められた金額で車を引き取ってもらえるというメリットがあります。
ただし、車の価値が設定残価を下回った際には差額を支払う必要がある点や、価値が上昇してもその利益を享受できない点には注意が必要です。
3.同じメーカーの車に乗り換えやすい
残価設定ローンは、短期間で新しい車に乗り換えたい方にとって便利な選択肢です。このローンでは、契約が満了した際に同じメーカーの新車に乗り換える場合、残価の支払いを省略できるため、負担を軽減しつつスムーズに次の車に乗り換えられます。
車の返却だけで手続きが完了する点も手軽であり、定期的に新しいモデルに乗りたい方にとって大きなメリットです。ただし、ほかのメーカーに乗り換えたい場合はこの仕組みが適用されないため注意が必要です。
残価設定ローン(残クレ)がおすすめできるケース
次に、残価設定ローン(残クレ)がおすすめできるケースをご紹介します。
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それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
毎月の支払額を抑えたい場合
残価設定ローンは、契約時に設定された残価が毎月の返済額から除かれるため、通常のオートローンに比べて月々の負担を軽減できる点が特徴です。支払総額が増える可能性はありますが、特に毎月の支払いを抑えたい方には適したローンです。
定額で計画的に支払いたい場合、このローンは柔軟な返済プランを提供し、生活費とのバランスを取りやすい点がメリットであるといえます。
車の利用期間が決まっている場合
残価設定ローンは、契約期間が3年や5年など比較的短期間で設定されるケースが多いため、将来的に車の乗り換えを考えている方に適した選択肢です。ライフステージの変化や家族構成や通勤環境の変化が予想される場合、ローン満了時に新しい車に簡単に乗り換えられる点がメリットです。
このように、短期間での契約が可能なため、フレキシブルに車を利用したい方におすすめの金融商品であるといえます。
残価設定 デメリットでよくある3つの質問
最後に、残価設定 デメリットでよくある質問をご紹介します。
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それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
質問1.残価設定ローンの注意点は?
残価設定ローンは、3〜5年という短期間の契約が多く、一般的なカーローンのように返済期間を柔軟に選択できません。このため、月々の返済額を抑えたい方にとっては制約となる場合があります。
また、ローン終了時には残価精算費用が発生し、車を買い取る場合には残価分の一括払いが必要です。さらに、車を下取りに出しても、残価を上回った分の利益は得られないため、市場価値が高い車種の場合は、一般的なカーローンや現金一括払いで購入する方が有利になるケースもあります。
質問2.残価設定ローンの審査基準は?
残価設定ローンを利用する際、審査基準として年収や信用情報、他社からの借入状況が重要視されます。一般的に年収200万円以上であれば審査通過の可能性があり、借入額が年収の50%以下であれば通りやすいとされていますが、高額な借入希望額は審査が厳しくなる要因です。
また、残価も借入額に含まれるため、全体の購入金額が年収と釣り合っているか確認が必要です。信用情報や他社の借入状況も審査に影響し、延滞や債務がある場合は通過が難しくなるため、事前に計画を立てるようにしましょう。
質問3.残価設定ローンに通らない場合に車を購入する方法は?
車のローン審査に通らなかった場合、審査基準が異なるほかのローンを検討するのも1つの方法です。
銀行ローンやディーラーローンでは、信販会社が審査を担当するため、審査基準が厳しい傾向がありますが、自社ローンは販売店が独自に審査するため、通りやすいとされています。
さらに、自社ローンの審査では、仮審査を利用すると信用情報に影響を与えずに通過の可能性が確認可能です。仮審査は無料で、短期間で結果が分かるため、安心して審査の進め方を考えられます。
なお、ローンに通らない場合に車を購入する方法については、こちらの記事で紹介しています。
まとめ
本記事では、残価設定ローン(残クレ)のデメリットや仕組みについて解説し、おすすめできるケースを紹介しました。
残価設定ローン(残クレ)は、月々の負担を軽減できる便利な仕組みですが、利息負担や残価のリスクなどのデメリットも考慮する必要があります。一方で、短期間で車を乗り換える予定がある方や初期費用を抑えたい方には特におすすめのローンといえます。
残価設定ローン(残クレ)のメリットとデメリットや仕組みを正しく理解し、自分に合ったローンを選び、より満足度の高いカーライフを実現しましょう。
なお、当社「KSTオート」でも自社ローンを取り扱っています。ローンブラック、自己破産、任意整理をされた方、ローンを組みにくい学生やフリーター、派遣社員、年金受給といった方もご安心ください。⇒KSTオートの自社ローン仮審査申込フォームはこちらから
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